2022.12.01
【基礎知識】鉛バッテリー形式読み方解説
はじめに
バッテリーの種類は様々あり、国産車と外車の違いや車体の大きさによって選ぶべきバッテリーが変わってきます。
バッテリーの購入前には、実際に車両に搭載されているバッテリー型式を必ず確認しましょう。
バッテリーの分類は国産車では「JIS(日本工業標準調査会)規格」があります。
今回は、日本のJIS規格のバッテリー形式について解説します。
JIS形式の読み方
一般的な車は、エンジンルーム内にバッテリーが搭載されており、
バッテリーの形式は、バッテリーの天面 or 側面に表示されています。
こんな数字と英語(アルファベット)が混ざった表示を見たことはありませんか?
これはJIS規格に沿った表示形式で、それぞれの数字と英語にはちゃんと意味があるんです。
1)性能ランク
バッテリーの総合性能(始動性能・容量)を表しています。
数値が大きいほど性能が良くなります。
(50未満=2刻み/50以上=5刻み の表示になっています。)
2)バッテリーの短辺のサイズ
二つ目の英語(アルファベット)は、バッテリーの短辺のサイズを表しています。
JIS規格で幅×箱高さの区分が決まっています。
記号:A→Hの順に大きくなります。(単位=mm)
3)バッテリーの長辺の長さ
三つ目の数字は、バッテリーの短辺の長さを表しています。
(例:80D23Rの場合、約23㎝)
4)バッテリー端子の位置記号
+(プラス)、ー(マイナス)端子の極性位置を示しています。
上から見て、右側にー(マイナス)がきた場合はR(ライト=右)
上から見て、左側にー(マイナス)がきた場合はL(レフト=左)
MFについて
バッテリー形式の最後に(80D23L-MF)というように「MF」という表記がありますが、
これは「メンテナンスフリー」という意味です。
よく、メンテナンスフリーだからメンテナンスが不要と誤解されがちですが、
これは電解液の補水が不要という意味です。
通常の液式バッテリーの場合は、使用しているとバッテリーの電解液が減っていきます。
ケースに記されているUPPER(上限)とLOWER(下限)の間に収まっていれば問題ありませんが、
下限よりも電解液が減ってきたら、精製水を補充する必要があります。
電解液が少なくなる2つの理由
・電解液中の水分が電気分解し、酸素と水素になって外部に放出される
・水分が蒸発する
MFのバッテリーが電解液の減少を抑えられる理由
通常の液式バッテリーが開放型に対して、
メンテナンスフリーのバッテリーは密閉型になっており、電解液の減少を抑える構造になっています。
MFバッテリーには「完全密閉型」と「半密閉型」の2種類あります。
「完全密閉型」は、完全に密閉されているため、液を補充する液栓やバッテリー内のガスを排気する排気口もありません。
極板やセパレータに電解液をしみこませたり、ゲル化して固体にしているため、バッテリー本体を横置きにする事も可能です。(天地逆は×)
「半密閉型」は、バッテリー内部のガスを外部へ出す排気口が付いています。
液栓はシートで蓋がされている為、シートをはずさない限り、密閉状態となり、補水は必要ありません。
充電時に発生するガスは排出し、水蒸気はバッテリー内で結露させ電解液に戻るという仕組みになっています。
万一、シートを剥がれた場合は、水分が蒸発しやすくなりますので補水が必要となります。
【メンテナンスフリーバッテリーの種類】
・完全密閉型(シールドバッテリーまたはドライバッテリー)
GB(DEEP CYCLE) |株式会社岐阜バッテリー販売 (tb-battery.com)
・半密閉型(セミシールドバッテリー)
SUPER TB(密閉タイプ) |株式会社岐阜バッテリー販売 (tb-battery.com)
「メンテナンスフリー」でも日々の点検は行いましょう
メンテナンスフリーだからといって、気を抜いてはいけません。
電解液の補充、外観確認、ターミナル接合部の確認などなど、
安心してバッテリーをご使用いただくために、メンテナンスは欠かさず行いましょう!
JIS規格以外の規格
今回は割愛させていただきましたが、
電池に関する試験、性能表示の規格は下記のようにJIS規格以外にもあります。
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海外からバッテリーを仕入れ、お客様のニーズに合わせて自社工場で組立・溶接・充電することで新しい価値を生み出す会社です。
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